語り手:横瀬 豪
青雲高校⇨現熊医2回生
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『折れかけた心を支えた言葉』
大学入試・共通テストの2日目。
理系科目のテストの日。
頭の体操のために
軽く数学の計算をやったり、
ラムネを食べ、コーヒーを飲み、
試験前にやるべきことを済ませた。
時間にも余裕はあったし
試験前の時間配分も完璧
だったので、落ち着いて
試験に臨んでいたはずだった。
⌛️
事件が起こったのは、
最初の科目の数学Ⅰ・Aだった。
サクサク進んでいき、
微かな違和感を感じながらも
これまでの準備が
功を奏したような気がしていた。
異変に気づいたのは、試験開始35分。
いつも解いているはずの問題がない
ことに気づいて何かがおかしいと焦った。
その時気づいた。
自分は『数学Ⅰ』を解いていたのだ。
視界が真っ白になった。
同じ冊子の中に、
数学Ⅰと数学Ⅰ・Aがあるのだが、
自分は数学Ⅰ・Aを
解かなければならなかった。
数多く解いてきた中で、
当たり前すぎて今まで一度も
間違えたことがなかった。
ただ、本番で初めて
重大なミスをしてしまった。
心臓の鼓動がうるさかった。
手が震えた。
あの時の記憶は鮮明に覚えている。
この1年が全て無駄になるんじゃ
ないか、というか
もう無駄になったんじゃないか
と思った。
※何周もした数学の参考書
📖
5分間は何も考えられなかった。
📖
5分間は何も考えられなかった。
残り30分になった。
やれることをやろうと、
心が折れそうな気持ちに
なりながらもやりきった。
とにかく冷や汗が止まらなかった。
数学Ⅰと数学Ⅰ・Aの共通問題が
少しあったため
少しは時間短縮になったが、
明らかに今までで最悪の出来だった。
絶望に浸りながら、
どうすることもできなくて
親に電話をかけた。
途中まで科目を間違えて
時間が足りず
最悪の出来であること、
今年は無理かもしれない
ことを伝えた。
でも、親は優しかった。
とにかく励ましてもらって元気が出た。
電話が終わって、
気持ちを切り替えられた気がした。
そして、親からこんなLINEをもらった。
※その時の実際のLINE
本当にこの言葉を見て、
あと3科目死ぬ気で
やるしかないと思った。
ただひたすらに
ここから逆転することしか
考えなかった。
1時間20分の昼休憩が終わり、
2科目目は数学Ⅱ・B。
同じミスはしないように、
そしていつも以上に
丁寧に一つ一つ解いていった。
時間は余り、
見直しする余裕があった。
🖊️
最後の科目は物理と化学。
数学Ⅱ・Bで流れに乗れたのもあって、
物理は30分くらいで解き終わった。
特に怪しい問題もないくらい
いい出来だった。
それもあって
比較的余裕を持って、
化学の試験に臨めた。
リラックスしながらも、
変なミスはしないように
意識して最後まで解き終わった。
📎
帰りの電車の記憶はほとんどない。
その夜、入試センターから
解答が公表され、自己採点をした。
大ミスをした数学Ⅰ・Aは75点。
目標としていた90点よりも
低くはなったが、
残りの30分でやれるだけのことを
やった甲斐があった
と心の底から嬉しかった。
その後の3科目は数学Ⅱ・Bが98点、
物理が100点、化学が90点と
あのパニック状態の直後とは
思えないほどの結果となった。
あのとき、
もしも自分一人で抱え込んでいたら
と思うと恐ろしい。
とても長く感じた1日が終わった。
※受験生時代、何度か参拝した
太宰府天満宮
太宰府天満宮



